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『GS美神 極楽大作戦!!』は、ギャグ漫画の顔をした熱血漫画です

2026-11-03

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※大きなネタバレはありません。安心して読んでください。

まず主人公がお金に汚い

『GS美神 極楽大作戦!!』は、椎名高志先生が90年代の「週刊少年サンデー」で連載していた漫画です。

主人公の美神令子は、悪霊を退治するプロ「ゴーストスイーパー」。腕は超一流です。超一流なんですが、とにかくお金にがめつい。依頼人の足元を見て料金をつり上げるのは当たり前で、ヒロインとしてそれはどうなんだという言動が毎回のように出てきます。

その助手が、高校生の横島忠夫。こちらは煩悩のかたまりで、美神さんに飛びかかっては殴り飛ばされるのがお約束です。そこに、おっとりした幽霊の女の子・おキヌちゃんが加わります。

がめつい人と、煩悩の人と、幽霊。

この3人で悪霊退治をやるわけなので、まともな仕事になるはずがないんですよね。

笑ってたはずなのに、気づいたら泣いてる

序盤は1話から数話で終わるドタバタ除霊コメディです。テンポがよくて、肩の力を抜いて読めます。

ところが話が進むと、神さまや魔族まで巻き込んだ長編がどんどん増えていきます。命がけの戦いがあって、別れもある。さっきまでアホなことをやっていたキャラクターが、次のページでは本気で誰かを守ろうとしている。

この落差がずるいんですよ。

ギャグで散々笑わせておいて、油断したところに重たい一撃を入れてくる。シリアスだけの漫画では、たぶんここまで刺さりません。

一番かっこよくなるのは、一番かっこ悪かったやつ

タイトルは「美神」なんですが、物語を通して一番変わっていくのは助手の横島くんだと思っています。

最初は本当に情けないんです。セクハラまがいのことをしては殴られて、怖い現場ではすぐ逃げようとする。読者からしても「こいつ大丈夫か」と言いたくなります。

それが話を追うごとに、自分の力と向き合って、大事なものを守るために体を張るようになっていきます。かっこ悪いところを全部見てきたからこそ、かっこいい場面でちゃんと胸が熱くなる。少年漫画の主人公として、ものすごく丁寧に育てられたキャラクターです。

ヴァンパイアと人間のハーフのピート、貧乏な神父の唐巣さん、竜神の小竜姫さまなど、脇のキャラクターもみんな濃いです。それぞれにギャグの見せ場とシリアスの見せ場がちゃんと用意されているので、長い連載でもダレないんですよね。

正直、合わない人もいると思います

序盤は下ネタとドタバタがけっこう多めです。こういうノリが苦手だと、最初の数巻はしんどいかもしれません。

ただ、そこで止めるのはもったいないです。長編に入ってからが本番なので、ノリが合わなかった人ほど、もう少しだけ先まで読んでみてほしいです。

ギャグ漫画だと思って読み始めたら、いつの間にか熱血漫画になっていた。『GS美神』はそういう作品です。