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『ダークナイト』は、ヒーロー映画のつもりで観るとやられます

2026-11-03

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※大きなネタバレはありません。

スカッとするヒーロー映画ではないです

『ダークナイト』は、クリストファー・ノーラン監督の2008年の映画です。『バットマン ビギンズ』(2005年)の続きで、ノーラン版バットマン三部作の2本目にあたります。

犯罪だらけの街ゴッサム・シティで、バットマン(クリスチャン・ベール)は、ゴードン警部補や新しく来た検事のハービー・デントと手を組んで、悪を追い出そうとします。いい感じに街がまとまりかけたところで、ジョーカーという男が現れます。

ここから先、スカッとする展開はあまり期待しないでください。

この映画は、観ている側の気持ちもしっかり削ってきます。

ジョーカーが全部持っていく

この映画の話をするなら、ヒース・レジャーが演じたジョーカーは外せません。この役で、アカデミー賞の助演男優賞を受賞しています。

何がヤバいって、このジョーカー、目的がよくわからないんです。お金がほしいわけでも、権力がほしいわけでもない。ただ、人がずっと守ってきたルールや信念が、ガラガラと崩れていくところを見たがっている。

話し方もしぐさも何を考えているのかまったく読めないので、画面に出てくるだけで空気がピリッとします。

主役はバットマンのはずなんですよ。なのに、観終わったあとに頭に残っているのは、だいたいジョーカーの顔です。

「正義の味方」が全員追い込まれる

ジョーカーは、バットマンや街の人たちに、ひどい二択を次々と突きつけてきます。

誰かを助けるためなら、ルールを破っていいのか。正しいことをしても街を守れないなら、どうするのか。

この映画のしんどいところは、正義の側の人たちが一人残らず追い詰められて、迷って、選ばされるところです。悪いやつを倒してめでたしめでたし、という話を想像していると、その重さにたぶんびっくりします。でも、その重さこそがこの映画のいいところなんですよね。

アクションの手ざわりが生々しい

ノーラン監督は、なるべくCGに頼らず、実際に撮ることにこだわる人として知られています。この作品でも、大きな車を使ったカーチェイスや爆破のシーンが実写で撮られていて、画面にちゃんと「重さ」があります。

IMAXカメラで撮った、街を上から見下ろす映像もかっこいいです。

これから観る人へ

全体的に暗くて、救いの少ない展開が続きます。明るく爽快なヒーロー映画が観たい気分の日には、ちょっと向かないかもしれません。

前作を観ていなくても話はわかります。ただ、『バットマン ビギンズ』から順番に観ると、ブルース・ウェインの苦しさがもっと伝わってきます。時間がある人は、ぜひ三部作まとめてどうぞ。